HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)
* 2022年度からHPVワクチンの無料接種年齢が小学校6年生~1997年4月2日以降に生まれた方までに拡大されております。対象の方には、市から無料接種券が順次送付されます。接種券をお受け取りになりましたら、当院にお電話をいただきご予約ください。
対象年齢の方は全額補助が出ますので無料です。子宮頚がんの原因はほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるというのが現在の知見です。したがってHPVワクチンを接種することにより、子宮頚がんを高率に予防することができます。実際にこのワクチンの先進国であるオーストラリアやイギリスなどでは子宮頚がんが近年激減しています。2020年秋には、ヨーロッパ(スウェーデン)において接種した方はしない方に比べて、子宮頚がんの発病が9分の1に減少したという大規模調査の結果が論文になりました。日本でも10年前から公費補助によりワクチン接種が推進されてまいりましたが、残念なことに副反応の報告が大きく報道されてその後は接種される方が少ない状況でした。しかしその間の研究で、ワクチンと副反応の因果関係については医学的に確立されず、2021年に「因果関係は認められない」との「安全宣言」が出されました。それを受けて厚生労働省も2021年再度「積極的接種推奨」と位置付けました。その結果、接種される方は非常に増加しております。
ただ、現在日本でHPVワクチンを接種している方は全女性の数%程度といわれています。WHOは2030年までに全世界の国々で90%の接種を目指しているので、これに関しても日本は「ワクチン後進国」とこき下ろされています。
* 接種をご希望になる場合は、当院にお電話をいただき、日時のご予約をお取りいただきますようお願いいたします(2回目、3回目の接種も同様です)。
* 当院では4種類のHPV(ハイリスク16型、18型のほか低リスクの6型、11型)の感染を予防できる「ガーダシル」を接種しています(2023年4月1日からは「シルガード9」の接種もできます)。1回目の約2か月後に2回目、2回目の約4か月後に3回目という、3回接種になります。
* 「シルガード9」は9種類のHPVを予防できるワクチンで、2023年4月1日から公費負担で接種できるようになります。ご予約の際にガーダシル、シルガード9のいずれがよいかを選択してください(ご自身で双方のワクチンの特徴についてお調べになり決定されてください。説明をお聞きになりたい場合は大変恐れ入りますが、診察の予約をお願いします。その際診察料が発生します)。1回目、2回目にガーダシルを接種した方は、4月以降シルガード9に変更して残りの接種をすることも認められておりますが、効果や安全性という点ではそのままガーダシルを接種することが推奨されます。
* 対象年齢以外の方でガーダシルを接種ご希望の方は1回18,700円(税込)です。シルガード9につきましてはお問い合わせ下さい(非常に高価です…)。