当院では、プレコンセプションケア(小児から妊娠前の世代の女性ヘルスケア)を中心に、婦人科疾患のプライマリーケアを重点的に行っています。つい、10年前までは我慢を強いられた生理にまつわる悩み(痛み、不順、生理前の情緒不安定、過多月経など)は、現在ではさまざまな治療方法があります。10年でこの分野は長足の進歩をとげ、時代は変わりました。些細なことでも受診されてください。あなたに最も適した検査と治療をご提案します。
診察をしてもらいたいときにクリニックが開いていないと、受診できないうちに病気が進行してしまう場合があります。不妊治療やピルの処方など定期的に通院が必要なものにも、まずは「通いやすさ」が大切です。当院は京急久里浜駅から徒歩1分、常勤医師2名が交代で祝日以外毎日診察し、土曜(2診体制)、日曜も平日と同様の時間で診察しています。15分刻みの時刻指定の予約を行っていますので通勤・通学の帰りでも時間の無駄なく受診できます。
当院の理念
*ハートと技術の両立を目指します
病気のつらさや心配を少しでも和らげるために、医療人の優しさを見失わないようにします。ただし「鬼手仏心(きしゅぶっしん)」という言葉があるように、医療は優しさだけでは成り立たず、一定の技量が伴わなくてなりません。同級生が学生時代に循環器内科の先生に「私はオペが苦手なのですが、やはりメッサーザイテ(外科系の医師のこと)に憧れます。でもやめておいたほうがいいでしょうか」と相談したところ、先生は「オペが苦手ならメッサーザイテをやめるのではなく、医者になるのをやめておいたほうがいいね」と答えたのを覚えています。その時は内科なら手術はしなくてもいいじゃないかと思いましたが、今となってはその先生の言わんとすることはよくわかります。
ハートと技術。どちらに偏ることなく両立をつねに目指しています。
*痛みの少ない診療を心がけます
産婦人科から足が遠のく理由のひとつに、「診察や検査が痛い」というのがあると思います。痛みは我慢しなければならないものではありません。痛みが予想される検査や処置の前にお薬を適切に使用したり、診療の器具を工夫することにより痛みをかなり軽減することができます。ただし、例えば子宮体がんの検査は少し痛いくらいでないと充分な細胞が取れずに結果が出ないことがあります。そのような場合再度の検査が必要となり、患者様に二重の経済的・時間的負担をかけてしまうことになります。痛みを伴う検査などはご説明をして納得していただいてから実施します。
患者さん一人ひとりの痛みの感じ方は様々ですがそれをよく把握すると同時に、丁寧な診療を心がけ痛みを最小限にするように努力いたします。
*コスト意識を徹底します
当院のホームページをご覧になって、「どこかで見たことがある」と思った方はいらっしゃらないでしょうか。実はこのホームページのフレームは「既製品」なのです。これにより当ホームページは作成・維持の費用がほとんどかかっておりません(ただし頻繁に、医師の責任においてアップデートし、正確・新鮮で有用な情報を発信できるよう努めています)。クリニック(特に医療法人)は一般の企業や商店と異なり営利を追求する存在ではありません。お客様を集めるような美しく写真もりもりのようなハイスペックなホームページは当院のような小さなクリニックには不必要なものと私は考えています。広告費が少ない分、医療費の削減が可能となります。また、収益面でいうとクリニックの収益の多くは採血などの検査によるものです。患者さんが持参された他院での採血データを拝見すると、採血理由の説明に困るような高価なセット採血を来院者ほぼ全員に行っている場合もあるようです。ちなみに検査結果の説明の費用も検査の代金に含まれています。ですので他院で行われた検査結果の説明が十分なされなかったといって結果の紙を持参され説明を要求される方がいますが、これは本来はルール違反です。
当院では、患者さんの金銭的負担を軽減してリーズナブルな診療を行います。
診療内容(概略)
産科(詳しくは「妊娠した!?・妊婦健診・4D超音波」のページをご覧下さい)
- 妊婦健診 -妊娠の診断からおおよそ妊娠10週までの診察をいたします(分娩施設・受診時間などの条件があえば、33週くらいまで当院で健診を行うこともできます。ただし途中からの健診や1回限りの健診はお受けしていません)。その後分娩取り扱い施設にご紹介いたします。
- 妊娠中の合併症の治療 -風邪をひいた、便秘になった、おなかがかゆいなど妊娠中のトラブルを当院で治療します。
- 4D超音波 臨床検査技師外来 -ご予約はお電話にて行っています。実施日はトップページでご確認ください。
婦人科
- 子宮・卵巣・外陰部の病気 -症状としては不正性器出血、下腹痛、腰痛、外陰部のかゆみ(ヒリヒリ感)・痛み・できもの、おりものの異常などです。具体的な疾患は子宮頚がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頚管ポリープ、卵巣がん、卵巣のう腫、カンジダ膣炎、萎縮性膣炎、細菌性膣炎、バルトリン腺膿瘍・のう胞など多岐にわたります。これらの診断と治療を行います。なお、がんまたは異形成(前がん状態)、治療を要する卵巣腫瘍などが発見されたときは、すみやかに中核病院にご紹介いたします。
- 過多月経 -子宮筋腫、子宮腺筋症などにより、生理時の出血量が多く、知らない間に貧血になっている方が多数いらっしゃいます。当院には貧血を測定する機器がありますので、採血ですぐに結果をお話しでき、その日から治療に取りかかります。最近は副作用の少ない鉄剤や即効性のある点滴が出ており、改善が期待できます。当院では、ピル(OC/LEP)の処方、一般不妊治療と並んで、貧血の検査・治療を3本目の柱としています。
- 性感染症(STD) -陰部ヘルペス、トリコモナス、淋病、クラミジア、尖圭コンジローマ、梅毒、HIVなどの各種感染症の診断と治療を行います。最近は梅毒が日本人でも増加傾向で、外陰にできものが多数出現したとき(初期硬結といいますが、必ずしも硬いわけではありません。できものは非常に多彩です。赤く丸い少し膨らんだできものであることが多いです)はすぐに受診しましょう。痛みなどなく初期の症状は自然になくなってしまうので、受診せず放置し、病期が進行してしまうと、非常に治療しにくくなります。
- 思春期の不正出血、生理痛、生理不順など(詳しくは「思春期外来」および「生理不順・不正出血」のページをご覧ください) -多くは問診(場合によってはお腹からの超音波、採血も)で診断・治療が可能です。生理不順(特に生理の間隔が長い場合)は後に骨粗鬆症や子宮体がんなどのリスクが上昇することがありますので、放置せずに必ず相談にいらしてください。
- 更年期の体調不良 -まず、本当に更年期なのか?更年期としてもまだ先は長く続くのか?など採血でホルモンの検査をすればわかります。ご希望の方はまず検査から始めましょう。つらいとき(治療が必要な更年期症状をお持ちの方は、更年期に該当する方の約3分の1といわれています)は、一時的に女性ホルモンなどのお薬の助けを借りることになります。ただ、ホルモンの補充をするほどではない症状の場合や、もう少しで更年期を卒業できる場合、肥満・高血圧・糖尿病など女性ホルモンが使えない方には個々の症状(出血・うつ・腰痛・不眠・めまいなど)を楽にするお薬や、漢方薬も処方していますので、症状に合ったものをご提案します(症状によって正しい選択をすれば、漢方は非常によく効きます)。植物性女性ホルモンサプリメント「エクエル」も販売しております。ただし精神的な症状が特に問題で、心療内科・精神科等ですでに診察・投薬を受けていらっしゃる場合、婦人科的な治療が奏功せず向精神薬(抗うつ剤等)を使用しなければ改善が見込まれない場合などは、当院ではそれ以上またはそれ以外の対応はできかねます。ご了承ください。
- 月経困難症(生理痛など)-安定した効果を期待するなら治療用の低用量ピル(LEPといいます)を選択します(詳しくは「低用量ピル・LEPの処方」のページをご覧ください)。また、市販の鎮痛剤より効果が期待できるお薬がありますので、あきらめずにご相談ください。漢方でも効果が出ることがありますので、まずは試してみるのもお勧めです。
- 月経前症候群・月経前不快気分障害(PMS,PMDD)-PMS・PMDDは最近は10歳代から現れます。場合によっては生理時の不調より辛い場合も多いようです。お薬の助けをかりて快適に生活しましょう。上で示したLEPを用いればかなり症状が緩和します。またイライラ、うつ、めまいなどピンポイントのつらさには漢方が非常によく効きます。ただし更年期の方同様、精神的な症状に関して心療内科・精神科等ですでに診察・投薬を受けていらっしゃるなどの場合、当院ではそれ以上またはそれ以外の対応はできかねます。ご了承ください。
- 低用量ピルの処方(詳しくは「低用量ピル・LEPの処方」のページをご覧ください) -避妊及び各種治療目的のピルを院内ですぐにお渡しできます(一部院外処方となるものもございます)。2回目の処方からはまとめて3か月分処方できますので、頻繁な来院は必要ありません。
- 緊急避妊ピル(詳しくは「緊急避妊ピルの処方」のページをご覧ください) -望まない性交渉や避妊に失敗したなど、性交渉後遅くとも3日以内(なるべく早めのほうが成功率は高いです)にお薬を服用するだけで、かなりの高率で妊娠を回避できます。ノルレボ法、ヤツペ法(ヤッペ法)、どちらのお薬も院内で処方します。
- 生理日の移動 -生理の日を移動したいとき、早めに(前の生理が終わるころ)いらっしゃっていただければ生理を早めることができ、体にも優しいです。直前になってしまったときは、必要な日数だけ生理を遅らせて来ないようにすることができます。以前は注射もありましたが製造終了となり、現在は内服薬のみとなります。飲み初めに吐き気が出る方がいますので、ご希望がございましたら吐き気止めも同時に処方します。自費診療となり、3,300円(10%税込)の費用がかかります。
- 避妊リング -お産の経験のある方にはもっとも簡単な避妊法です。ずれてしまうと避妊効果が低下しますので、定期的な超音波チェック(半年から1年毎)が必要です。外来ですぐに入れられます。生理が終わる頃にいらっしゃってください。自費診療で費用は30,000円程度ですが、5年間そのまま使えますのでコストパフォーマンスは高いです。
- ブライダルチェック(詳しくは「ブライダルチェック」のページをご覧ください) -ブライダルチェックとは主として結婚の予定のある方に受けていただくための、感染症などの検査です。生理でない時にいらっしゃってください。また、夫になる方の感染症の採血・採尿もいたします。自費診療で費用は10,000円程度です。
- 子宮がん検診、卵巣がん検診(詳しくは「子宮がん検診」のページをご覧ください) -生理でない時にいらっしゃってください。子宮頚がん検診につきましては横須賀市の公費補助を受けられます。20歳の方はクーポンが市から送られますのでそれをご持参になれば自己負担はありません(横須賀市以外に住民票がある方はお問い合わせください)。子宮頚がん検診と同時に子宮体がん検診、卵巣がん検診も受けられますので受付または診察時にお申し出ください。
- 女性内科 -排尿痛(膀胱炎)、便秘・下痢、高血圧などの治療も行っています。院長自身、高血圧歴30年ですので高血圧治療も専門です。最近問題となっている、血圧を下げすぎて体調不良にならないように配慮してこまめにお薬の量や種類を調整します。
不妊治療(詳しくは「不妊治療」のページをご覧ください)
体外受精を必要としない不妊検査・治療に力をいれています。
- ホルモン検査
- 卵胞発育検査、排卵誘発
- タイミング療法
- 子宮卵管造影(専用のレントゲン室を完備しています)
- 精液検査
- 人工授精
不妊治療に関しましては、年齢その他で制限を設けさせていただいております。詳しくは、「不妊治療」のページをご覧ください。
手術
専用の手術室および個室の回復室を完備し、プライバシーおよび安全に配慮した日帰り手術を行います。
- 流産手術(詳しくは「流産手術」のページをご覧ください)
- 人工妊娠中絶手術(前処置に痛みの少ない方法を採用しています。費用等、詳しくは「人工妊娠中絶手術」のページをご覧ください)
その他
- プラセンタ注射(皮下にお注射を行います。針はきわめて細いものを使用しますので痛みはわずかです。詳しくは「プラセンタ注射」のページをご覧ください)
- ビタミン点滴(自費診療、お電話または受付での予約制です)。複合ビタミンB、ビタミンCの点滴で代謝を促進し疲労回復、初期の風邪などに圧倒的・即効的な効果が期待できます。時間が30分くらいかかります。お電話で部屋の空き状況をご確認の上ご来院ください。詳しくは「ビタミン点滴・注射」のページをご覧ください)
- 予防接種:インフルエンザワクチン(冬期)。風疹ワクチン(「風疹抗体検査、麻疹・風疹ワクチン」のページをご覧ください)。HPVワクチン(以前、子宮頚がんワクチンと呼ばれていたものです。「HPVワクチン」のページをご覧ください)。
- 横須賀市健康診査:市の補助が適用される成人健康診査(18歳~39歳)を土・日を含め毎日行っています。詳細および自己負担額に関しては保健所健康づくり課市民健診係(822-4307)にお問い合わせになるか「横須賀市健康診査」のページをご覧ください。
- プラセンタサプリメント(メルスモン)、植物性(大豆由来)女性ホルモン類似サプリメント(エクエル)、エクオール含有の生理前症候群改善のためのサプリメント(トコエル)、妊婦さんおよび不妊治療中の方用の葉酸・ビタミン・ミネラルサプリメント(ラフィル)といった効果の認められたサプリメント等の販売も行っています。いずれもamazon等の通販価格よりリーズナブルですので是非ご利用ください。こちらは診察を受けなくてもご購入可能です。
✖ やっていません
当院では、「乳がん検診・乳房のトラブルに関する診察」、「子宮脱・子宮下垂に対するペッサリー治療」、「ミレーナの装着(トラブルが多いので当院ではおすすめしていません)」、「骨粗しょう症の診断と治療」は行っておりません。ご了承ください。